岩谷寺庫裏改築
竣工 | 令和5年3月 |
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用途 | 寺院(庫裏) |
構造 | 木造 |
規模 |
建築面積 207.43㎡ 延床面積 192.53㎡ |
施工 |
菊地建築 |
設計コンセプト
茨城県笠間市来栖の田園をぬけ、静かな杉木立をぬけると急に視界が広がり、岩谷寺があります。
岩谷寺は、笠間市来栖にある真言宗智山派の寺院です。
大同4年(809)に平城天皇より勅願寺として弘法大師の弟子秀悦上人によって佐白山に護命山醫王院岩谷寺として開創され、順徳院の御宇ぎょうに忠圓が再興して、醫王山護命院岩谷寺と改められました。
岩谷寺には、木造薬師如来立像(建長5年)と木造薬師如来坐像(平安時代末)があり、2点とも国指定重要文化財となっています。
そのうち木造薬師如来立像は、令和2年度に日本文化遺産に登録されており、「かさましこ」ストーリー構成の一役を担う存在として再び注目を浴びています。
山門をくぐり抜けると、中央の日本庭園を取り囲むように、本堂・客殿・庫裏をはじめ薬師堂・宝物庫等の社寺建築群が岩谷寺を構成しております。
本計画は「宗祖弘法大師誕生1250年・岩谷寺1200年記念事業」として、岩谷寺建築群を活性化することを目的としております。
本堂の北東側には2階建ての庫裏がありましたが、煩雑でバリアフリーとは言えない内部動線が悩みどころでした。
本計画によって改築した平屋建ての新しい庫裏は、玄関ホールから客殿までの内部動線を明快かつバリアフリーにしました。
本計画における庫裏は、縁側を持つ20畳の続き間書院、長机椅子を置いた食堂兼応接室、住職家族の居住区域で構成されており、外部内部仕上げ材や建具には杉・檜の天然木、聚楽壁等自然素材をふんだんに用いております。
この計画を皮切りとして、岩谷寺がこれからも文化的に活性化することを祈るばかりです。
内・外装











