施工例

真浄寺手水舎改築

竣工 令和7年1月
用途 寺院(手水舎)
構造 木造
規模

建築面積 15.45㎡

延床面積 15.45㎡

施工

河原井建設

設計コンセプト

長耀山真浄寺は茨城県笠間市笠間相生町に境内を構える日蓮宗の寺院です。
慶長元年(1596)に日忠上人によって開山されたのが始まりと伝えられています。


本堂の境内高台にある物見櫓は、「八幡台櫓」と呼ばれ、旧笠間城本丸の八幡台にあった八幡台櫓から移されたもので、笠間城の唯一残る城郭建築であり、その貴重性の高さから、昭和44年に茨城県指定有形文化財に指定されています。
現在は真浄寺の七面堂として祈祷の場として使用されており、令和2年度には日本文化遺産に登録され、「かさましこ」ストーリー構成の一役を担う存在となりました。


門をくぐると、シンボリックな大銀杏の木を取り囲むように、本堂・庫裏・八幡台櫓が真浄寺建築群を構成しております。

本計画は大銀杏に近接した場所にある老朽化した手水舎を改築することで、真浄寺建築群を活性化することを目的としております。

既存手水舎を改築するに当り重要視したのは以下の点です。
「1.建築群全体の動線の再構築」

「2.門からの眺めの改善」

「3.ひと休みできる空間の創設」

1.既存手水舎配置を踏襲し、門・本堂・八幡台櫓それぞれへの動線の起点としての手水舎を再構築しました。新手水舎の出入口を門方向と本堂方向の二方向へと開放し、参詣者往来の円滑化を促しました。


2.勾配屋根の流れ方向を90度回転して平入とし、借景となる八幡台櫓屋根との景観的調和を図りました。これにより、本堂・八幡台櫓・手水舎がすべて平入に統一されました。


3.屋根を拡大して腰掛けを設置し、高低差のある境内参詣の途中でほっとひと休みできる空間を創設しました。竪格子で柔らかに仕切られた手水舎の腰掛けに座ると、大銀杏越しに本堂と高台の八幡台櫓が一望できます。

真浄寺建築群がこれからも文化的に活性化することを祈るばかりです。

 

 

内・外装

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